






現在、本実験林は130ヶ所以上の場所に長期実験地を設置している。面積は241.926ヘクタールに渡り、そのほとんどが渓頭、清水溝、水里、内茅埔、和社、対高岳の経営林区6ヵ所内にあり、実働71ヵ所、総面積158.915ヘクタールである。本実験林における試験地の一部は、設置から既に80年が経過しており、非常に重要な働きを担っている。異なった研究性質や設置目的の違いから、成長量、密度、林分構成、間引き、耐陰性、種源と繁殖、優良品種の導入、造林と生長、芽生え、樹木園、竹類、その他、貴重木及び保留木、以上13の研究項目に分けられ、それらを維持するためにスタッフを定期派遣して調査を行うとともに、実験地におけるデータバンクの構築に積極的に取り組んでいる。また、それらは試験研究計画台帳、長期試験地における長年の調査台帳、統計資料台帳等を網羅しており、スキャンニングとファイルを取りまとめた結果、構築された長期調査資料は、学術研究に提供されるだけでなく、学生への教育実習やモデル経営の場でも利用されている。この10年間で20編の論文を発表し、2006年に出版した長期試験地概況は、試験研究や試験地の経営管理に参考利用されている。 |




試験研究は実験林発展における重要な目標である。本実験林は毎年十分な試験研究費用が充てられており、本実験林のスタッフや研究員が実験林経営管理という課題のもと、それに関連した学術と専門研究に取り組むことを奨励している。研究成果は林業経営管理の参考としても用いられ、2003~2006年までに、51件の関連研究計画を完成している。 また、行政院国科会と農業委員会が進めている試験研究協力計画にも積極的に参加し、2003~2006年の間に、本実験林は国科会などの6部門から、生態系経営、遺伝子の保存、炭素隔離、自然生態教育、環境変化モニタリングによる育成、倒壊地における整備工法、など多くの研究計画を委託され、これまでに完成した研究報告は合計で30編を数える。 現在までに本実験林は、全国の学術部門におけるあらゆる生態研究に貢献し、それらは本実験林と関係する研究機構や学識専門家の手により、生態資源と環境資源に取り組む研究員に広められた。2003~2006年の間に、台湾大学森林環境および資源学などの20単位に協力し、これまでに完成した研究報告は33編にも上る。 |





本実験林を国際舞台に押し上げ、台湾林業の国際的地位を高めるため、最近では国際学術交流、国際学術活動にも参加し、国際林業学術機構と協力して研究計画の推進に積極的に取り組んでいる。2004~2006年の間に、米国林業局、ポーランドワルシャワ大学、フランス国家農業研究院などの国際的地位を持つ学者ら合計16名を、本実験林管轄内に招き学術交流を行った。本実験林は2003~2006年間に米国イリノイ大学、パーデュ大学、フランス国家農業研究院、日本東京大学演習林、韓国順天大学、中国福建農林大学、湖南森林植物園、杭州植物園などの部門に計30名を派遣して、学術交流を行ったり研究討論会に参加している。 また、2005~2006年には行政院農業委員会国合所から経費補助が得られ、台湾法の林業交流計画を実行し、フランス国家農業研究院、林学院、林務局を訪問するだけでなく、フランスの学者を台湾に招き、特定テーマセミナーを開催するとともに、フランス側が推薦する学生を台湾に派遣して、学術交流活動を行った。この他に、2006年には、ポーランドワルシャワ農業大学が交換教授として本実験林管轄内でエンマムシの調査を行っており、2007年には、日本東京大学の教授と研究員が本実験林管轄内で昆虫採集を行っている。
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本実験林は本校がトップレベ-ルへと駆け上がる計画、つまり、学術領域における全面的な向上プランに協力している。95年度(2006年)は200万元の補助経費を獲得し、情報処理と機械設備の改善、温室と苗圃施設のメンテナンス改善、教育実習用の食堂と設備の改善、などをそれぞれ行った。96年度(2007年にも150万元の補助経費を獲得したため、研究施設と機械に十分な改善を行い、和社教育実習センターにおけるLL教室の設備などに充てる予定である。施設の完備は、本実験林における教育実習試験研究の成果の向上と改善を確実なものにする。
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1941年以来、竹山と、管轄区内の各経営林区に、充実した気象モニタリングステーションを設置しており、今日までに60年以上の完全な気象資料が蓄積されている。森林における長期生態のモニタリングを行うため、1995年より、渓頭柳杉微気象ステーション、観山気象ステーション、塔塔加クモスギ林微気象ステーション、塔塔加草原区微気象ステーションを次々に設置し、特にその内の渓頭気象ステーションは1991年に中央気象局農業気象とネットワーク化され、完全装備の密集型気象観測ネットとなった。また本管轄区内において中央気象局が設置した気象ステーションには、「渓頭展望台テレメータ雨量ステーション」、「鳳凰テレメータ気象ステーション」、「信義テレメータ気象ステーション」、「和社テレメータ気象ステーション」、「神木テレメータ気象ステーション」、「新高口テレメータ気象ステーション」などがある。
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