森林は国家の生命であり、森林伐採は国家の安全に関わる問題である。本実験林は森林経営に対して永続的な経営を最終目標としており、計画と管理を重視している。全国の全ての学校における関係学科、もしくは各林業部門における試験研究、訓練講習、調査や相互研究に開放するだけでなく、国民全体と共有し、享受する優れた森林環境を提供している。

本実験林の管轄区は、天然資源と天然生物の宝庫であり、生息地は多様性に富んでいる。現在、下坪、渓頭、和社、鳳凰、東埔に5ヵ所の自然教育パークと、水里木材利用・製品展示センターがあり、既存する資源の整備を積極的に行っている。各パークの発展背景、天然資源の状況、使用者のニーズに合わせ、実質的な計画を練ることにより、各自然教育パークそれぞれが、充実した独創性のあるものに発展していくことを望んでいる。

本実験林の未来における経営理念は、グローバルな自然生態保全の脈動を共に歩み、森林生態が永続的に発展していくことにこだわり、生態原則と経済的なニーズにも目を向けることである。林地における生産力の保持と増進に力を入れるとともに、生物の種多様性を守っていくことで、どの天然資源も枯渇することなく、森林が永続的に経営できるよう目指している。 そうして、社会、経済、生物、生態、技術が必要としている森林生態系経営にも耳を傾けながら、適時経営方向を調整し、実行していく。森林資源を守ってはじめて、森林の健康が促進され、生物の多様性が守られる。国土を保全してはじめて、水源の維持機能が発揮でき、国民の生命や財産の安全を守ることができる。そして、林業における人材を絶えず育成していくことで、本実験林は完璧な教育林となり得るのである。

 
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